なぜか自分の「仕事でやりたいこと」が見えなくなっていませんか?
「目標やキャリアプランを持って、職場で生き生きと働いている人と比べて、自分には何もないと焦ってしまう……」 「今の働き方を変えたいのに、いざ考えると、仕事でやりたいことが何も思い浮かばない……」
周りの同僚や、SNSで見かける同世代がみんなキャリアアップや新しい挑戦をして充実しているように見えるとき、「仕事で何がしたいかわからない自分」に対して、どこか置いてけぼりのような焦りを感じてしまうことはありませんか?
ですが、そんな風に立ち止まってしまうのは、あなたの能力が足りないからでも、人間として中身が空っぽだからでもありません。むしろ、自分のダメな部分ばかりに気を取られて、足元にある大切なものを見落としているだけかもしれないのです。
今回は、なぜ仕事の場で「おもしろそう」と思っても行動に移せないのか、その心のメカニズムを紐解きながら、無理に立派なキャリアプランを探さずに心をすっきり整えるための「等身大の自己整理法」をお話ししていきます。
【原因】「映画の予告編」だけを見て、本編を見に行かない感覚に似ている
多くの人が突き当たる本当の壁は、働く意欲が完全にゼロということではありません。実は、「人の話を聞いたり、SNSを見たりして『この仕事、おもしろそう』とは思うけれど、本当にそれ以上のことは何もない」という感覚です。
- 友人から「最近新しく始めた仕事(副業)がすごく充実しているんだ」と話を聞いたとき。
- SNSのタイムラインで、誰かがフリーランスとして自由に働いている投稿を見たとき。
- ネットで話題になっている新しい職種やスキルの解説動画を見かけたとき。
その瞬間は確かに「へえ、おもしろそうだな」「私もやってみたいな」と心が動きます。ですが、それはスマホの画面で映画の予告編だけを見て「へえ、おもしろそう」と言いつつ、わざわざ映画館まで足を運んで本編を見ようとはしない感覚にすごく似ています。
外側から流れてくる楽しそうな働き方は、あなたにとって「よくできた2分間の予告編(他人事)」として通り過ぎていくだけ。その一瞬だけは心が動いても、スマホをスワイプしたり、その場を離れたりした瞬間に綺麗に熱が冷めて「まぁ、現実の仕事はそんなに甘くないしな……」と日常に戻ってしまうから、自分の現実のアクションには1ミリも繋がらないのです。毎日それなりに目の前の仕事をこなしてはいるけれど、心の中は「私、本当は仕事で何がしたいんだろう……」というモヤモヤでいっぱい。
そんな時、スマホを開けば「未経験からフリーランスになって自由な働き方を手に入れました!」「自分の強みを活かして起業!」みたいな、キラキラした他人の成功体験やSNSの投稿、おしゃれな動画がいくらでも流れてきますよね。それを見ては、その瞬間だけ「へえ、いいな。おもしろそうだな。私もこんな風になりたいな」と頭の片隅で思うんです。
でも、本当に「ただそれだけ」でした。
スマホの画面を閉じれば、明日もまた同じ時間に起きて、同じ会社に行って、やりたくもないルーティンワークをこなす現実が待っているだけ。「私にはそんな特別な強みなんてないし、そもそも今から新しいことを始めるなんてめんどくさいしな……」と、1秒で熱が冷めて日常に戻っていました。
他人の素敵な働き方を、まるで「よくできた映画」のようにただ客観的に眺めて消費しているだけで、自分の現実の足元は1ミリも動いていない。そんな、興味はあるのに行動できない自分にバツをつけては、勝手に落ち込む毎日を繰り返していたんです。
そんな何がしたいか完全に迷子になっていた私が、画面の向こうの「観客席」から降りて、自分の本当の居心地のよさを取り戻せるようになったきっかけが、今からご紹介する「3つの自己整理法」でした。
【自己整理法①】「やりたい仕事」ではなく、「これなら耐えられる環境」から探す
「映画の本編を見に行く(=実際にリスクや労力を払って新しい仕事に飛び込む)」だけの強い熱が湧かないときに、無理に「ワクワクする天職」や大きなキャリア目標を探そうとしても、心は拒絶してしまいます。まずは、ハードルを地面の高さまで下げてみましょう。
探すべきは、やりたいことではなく、「これならやっても嫌じゃないこと(自分にとって一番マシな環境)」です。
- 「ガツガツ成果を競い合うより、自分のペースで淡々と進められる業務の方が一番マシ」
- 「リーダーシップを取るより、裏方で誰かをサポートしている時間の方が一番マシ」
その、今の自分にとって一番精神的に負担が少ない「マシな選択」を正解として認めてあげること。画面の向こう側のキラキラした他人のキャリアではなく、あなた自身の現実のビジネスライフに、少しずつ「居心地のよさ」の手応えを取り戻していく最初のステップになります。
【自己整理法②】「役に立たない、1円にもならない、でもなぜか続いてしまうこと」を肯定する
私たちは無意識のうちに、「仕事に繋がる趣味を持つなら、何か資格になるものや、履歴書に書けるもの、スキルアップに繋がるものじゃないと意味がない」と、世間の効率主義の基準で考えてしまいがちです。その枠組みを、一度全部捨ててみませんか?
「ビジネスには何の役にも立たないけれど、なぜか昔からずっとやっていること」を思い出してみてください。
- 頼まれてもいないのに、社内の資料のレイアウトや文字のズレを綺麗に揃えてしまう。
- 特に意味はないけれど、エクセルの表を美しく色分けすることに没頭してしまう。
- ただぼーっと、他人の書いた文章を読んで「綺麗な日本語だな」と眺めている。
「こんなの何の資格にもならないし、アピールポイントにならない」と、自分でバツをつける必要はどこにもありません。その「生産性ゼロに見える、ついやってしまう時間」にこそ、あなたの心が一番無理なく、素の状態で発揮できている本当の得意(適性)の種が、そのまま丸ごと隠れているのです。
【自己整理法③】仕事の選択を「どっちでもいい」から「こっちがマシ」に変えていく
「私の天職は何だろう?」と、人生の大きすぎる方向性を一気に決めようとするから、何に対しても現実味が湧かずに動けなくなってしまいます。まずは今日1日の、オフィスでのあまりにも小さすぎる選択から、自分の決定権を取り戻す練習をしていきましょう。
今日引き受けるタスクの順番、休憩時間の過ごし方、職場で飲むコーヒーの種類。いつも「何でもいいから」「いつも通りでいいや」「無難だから」という理由で、周りに流されて選んでいませんでしたか?
それを、「今の私は、ほんの少しだけこっちの方法で進める方が嫌じゃない(マシ)気がする」という、あなたの内側にある微かな感覚だけで選んでみるのです。
職場の評価や「社会人としての正解」をすべて一度シャットアウトし、自分の小さな感覚だけで物事を決める。この積み重ねが、画面の向こうの「観客席」から降りて、自分の本当の強みを発揮しながらキャリアを自分の手で動かしていくための、一番優しいリハビリになります。
あわせて読みたい:自分の「ダメな部分」を、仕事の武器に変える方法
「何の役にも立たないと思っていた癖や、自分の偏ったこだわりが、本当に仕事の役に立つの……?」と、不思議に思った方もいるかもしれません。
実は、あなたがこれまで「自分の短所だ」「こんなの何の役にも立たない」と思い込んでバツをつけていた部分こそ、裏を返せば、他の誰にも真似できない強力な「長所」になり得るのです。
そんなあなたに向けて、別の記事で【自分の強みの見つけ方『自己分析』の3ステップ】というお話を詳しく書いています。
自分の短所をどうやって長所にひっくり返せばいいのか、具体的な強みの見つけ方を3つのステップで分かりやすくまとめました。今回の記事を最後まで読んで「何がしたいかわからない」というモヤモヤが晴れてきたあなたへ、次の一歩として自分だけの仕事の武器がハッキリと見えてくるはずです。ぜひ続けて読んでみてくださいね。
➔ 【自分の強みの見つけ方『自己分析』の3ステップ】を読んでみる
【まとめ】誰の評価もいらない。飾らない自分のままで心地よく生きるために
「仕事でやりたいことがない自分」や、「他人の働き方を映画の予告編のように眺めて日常に戻ってしまう自分」に、バツをつけるのは今日でおしまいにしましょう。
世間や会社が煽ってくる「自己実現」や「目標を持って輝くキャリア」という高いハードルに、無理をして背伸びをして合わせる必要は、もうどこにもありません。これまであなたが「短所」だと思い込んでいた部分の中にこそ、あなたを輝かせる本当の強みが眠っています。
あなたがこれまで真面目に、誠実に毎日会社へ行き、目の前の仕事をこなしてきた価値は、役職がついたり、立派なやりがいを持ったりすることによって左右されるほど、軽いものではないはずです。
大きな夢なんて、なくても毎日の仕事は穏やかに回っていきます。
上司や世間にマルをもらうために必死に何かを探す毎日を手放して、「今日も自分が一番ラクに息ができる働き方ができたね」と、ありのままの飾らない自分自身を、ただまっすぐに認めてあげること。その心の静かな変化が、明日からのあなたを、誰にも脅かされない本物の穏やかな安心感で包み込んでくれます。



コメント